2025年11月5日
精神科認定看護師による研修 「身体拘束をしないための工夫」
■開催日: 2025年8月30日(土)14時00分~16時00分
■場所:和歌山県勤労福祉会館 プラザホープ 2階
■参加者:46名
■テーマ:身体拘束をしないための工夫 ~ 身体拘束最小化の取り組み ~
■講師:精神科医認定看護師 吉本明美 先生
■司会:加藤 博之
研修報告
那賀支部長 加藤 博之
2025年8月30日(土)にプラザホープにて、紀南病院の精神科認定看護師の吉本明美先生にテーマとして「身体拘束をしないための工夫」身体拘束最小化の取り組みについて御講演頂きました。2024年4月の診療報酬改定から精神科病棟以外のすべての病棟で、緊急で代替え方法がなくやむを得ない場合以外の身体拘束を禁止することの通達がありました。そして、「身体拘束の最小化」に取り組むべきことがクリアできない場合は、入院料算定の診療報酬の減算対象となり、一日当たり40点の減算となりました。
今まで、転棟・転落予防の安全への配慮で「車椅子転落予防目的」で使用していた「Y字型拘束帯」「腰ベルト」「車椅子テーブルをつける」「介護衣:つなぎ服」「ミトン」などすべてにおいて具体的な内容も行動制限が対象となりました。各施設で非常に困っているとのことで、自施設の行っている身体拘束最小化の取り組み内容など、紀南病院精神科認定看護師の吉本明美先生に詳しく講義していただきました。
特に「身体拘束が認められる3要件」切迫性・非代替性・一時性が基本であること。更にスリーロック(3つの拘束)ベルト・介護衣など①物理的拘束(フィジカルロック)だけでなく、②言葉による拘束(スピーチロック)については、危険回避で普段使いがちな「動いたらダメ」も拘束になることや回避の言葉の言い換え方法を詳しく教えて頂きました。③薬物的拘束(ドラックロック)薬での過鎮静も身体拘束となり、以上の3項目がスリーロックで身体拘束の対象になるとのことでした。そして身体拘束を減らすための具体策など多岐にわたり御講演頂きました。御講演後にグループワークを行い各施設での取り組みなど、グループワークで様々な意見交換で理解が深まったようです。研修会後のアンケートもほとんどの方から好評との回答を頂きました。